『劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ』を振り返る

なんとなく部屋の整理をしていたらコンテを見つけたので。

不定期で自分が担当した話数の振り返りとか書けたら面白いですね。

まぁ、備忘録的な意味も込めて。

 

そんなわけで、『劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ』。

自分はアバン+OPとCパートの制作進行を担当しました。

あ、イベント行ったレポとかブログに書いてましたけど、こう見えてもアニメ作りに携わってるんですよね。

 

それはさておき、 アバンとOPはコンテ演出が若林さんで作監が坂井さんでした。

…と言っても、アバンは総監督の佐藤さんのフィルムと言っても過言じゃないかもしれません。

佐藤さんが撮ってきた実写映像を加工して使ったりしていましたね。インサートのタイミングなど、バッチリと佐藤さんが決め込んでいました。

それと、アバンの幼少期キャラも佐藤さんがL/Oから原画までやっています。元々はアニメーター出身の方だったので、流石でした。後にも先にも自分が佐藤さんの原画を見たのはこの時だけでしたね。

 

OPは相馬さんのCG様様ですね。

 

Cパートはコンテ演出が小林さんで作監が竹田さん、作監補佐に山下さんでした。

Cパートは紅莉栖がタイムリープしてBBQのところに戻るところ~紅莉栖が走ってラボに戻ってきて、ラボメンが岡部のことを忘れてしまうところまで258cut(くらい?)です。カット数はさほど多くないですが、尺を使ってきっちりと芝居をさせているので割と大変でした。苦悩だったりキスシーンだったり紅莉栖の走りだったり、見せ場盛りだくさんでしたしね…。

アバン・OPよりCパートの方が先に作業inでした。確か、自分がヨルムンガンドの最終話をやっている途中にスタートした記憶が。

御存知の通り、シュタゲは秋葉原を舞台にしている作品だったので、まず自分は何をしたかというと、休みの日に一人で秋葉原まで写真を撮りに行きました。コンテの絵面を参考にしながら、同じ構図の写真を何枚も何枚も撮りました。まるで聖地巡礼ですね(笑)。結局、その写真がそのまま写真L/Oとして使われることは一切無かったですが(苦笑)。ただ、原画さんや美術さんにはその写真参考を渡して作業してもらったので、多少はスムーズに作業してもらえたはず…(?)。あ、ラボ内はテレビシリーズの頃からCGが組んであるので、今回もCGL/Oでしたね。

原画は、山田有慶さんの原画に作品への愛がこもりまくっててすごかったです。ラボ内での岡部と紅莉栖と鈴羽の会話シーンをやっていただきました。今はデレマスの総作監やられていますね。

紅莉栖が秋葉原の街をひたすら走る一連は森賢さんですね。エフェクトやメカのイメージですが、アクションも非常に達者な方です。

 

なんか色々思い出しながらコンテをパラパラめくっていたら、そういや、キャラのケータイみんなまだガラケーですね…。あれ?ダルだけスマホだっけ?もう覚えてないや…

 

シュタゲはテレビシリーズも見ていて楽しんでいたので、自分のパート以外のストーリーはできるだけ見ないようにしていたのですが、いざ見てみると、自分のパートのラスト紅莉栖が「そこで私は決心した」というセリフがあったのですが、その後のDパートで即諦めていたのにはなんか笑いました…

 

何が大変だったのか…とか、もはやよく思い出せないのですが、やっぱりどの作品をやってもスケジュールには追われますよね。そうでもなきゃ、大晦日に回収とか行きませんし(笑)。

あと、テレビシリーズの回想をよく使用したので、劇場用にテレビシリーズのカットを再撮影しなきゃならなかったんですよね。あの2クール分の膨大な素材から回想で必要なカット袋を探すのがかなり大変だった記憶が。

「劇場版」ということで、劇場に相応しい原画さんを探さなきゃ!というプレッシャーがあったのもけっこう辛かった気がします。まぁ最終的にはそんなこと言ってられなくなったんですが(笑)。演出・作監総作監様様です…。

 

まぁ劇場版とは言っても、テレビシリーズと同じサイズのL/O用紙を使用していたので、劇場版というよりはOVAスペシャル的な感じなのかもしれないですけどね。

とはいえ、自分にとっては最初で最後の劇場作品でしたし、なんだかんだで思い入れもある作品です(結局、試写も行けなかったですし、劇場にも観に行けなかったですが…)。

 

どうでもいいですが、年を跨いで原画の回収をしていたので、大晦日の朝まで原画さんの家の前に張り付いて原画を回収して、そのままコミケ向かいましたね。しかもサークル参加してたからそのまま徹夜で売り子していたような…。

で、ちょうど自分のパートに参加してもらっていた原画さんが隣のサークルだったのが面白かったです。事前にわかっていたので、「コミケまでには終わらせましょう!」とか言いながら追っかけしていたような(笑)。最後の回収を終えたら、「じゃあコミケで会いましょう!」って。あ、大晦日の朝に回収した原画さんとは別の方ですが。コミケのアニメーター島ってわりとそういう知り合いがいるのが面白かったりします。

 

…ざっくりとこんな感じですかね。

また思い出した時にでも別作品のことでも書けたらいいですね。